民法715条 使用者責任

要件:「ある事業のために他人を使用する」者は、被用者がその「事業の執行について」「第三者に加えた損害」を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について「相当の注意をしたとき」、又は「相当の注意をしても損害が生ずべきであったとき」は、この限りではない。(民法715条)

①「ある事業のために他人を使用する」とは、使用者の実質的な指揮・監督関係があれば足りる。これは、使用者責任は他人の労働を支配することにより利益が存するから、その損害も負担するのが公平であるから(報償責任の原理)。

②「事業の執行について」とは、「広く被用者の行為の外形を捉えて客観的に観察したとき、使用者の事業の態様、規模などからそれが被用者の職務行為の範囲内に属するものと認められれば足りる。(最判昭和39年2月4日)

③「第三者に加えた損害」とは、被用者の行為が民法709条 不法行為の要件を満たすこと。

④「相当の注意をしたとき」「相当の注意をしても損害が生ずべきであったとき」とは、免責自由の主張がないこと。